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INTERVIEW
インタビュー

INTERVIEW
インタビュー

  • 会社名:池⽥⾷品株式会社
  • 業種:菓⼦製造業
  • TABECLA開始⽇:2019年10⽉1日
  • 導⼊範囲:販売管理、在庫管理(1次フェーズ)、⽣産管理(2次フェーズ)
⽣産、在庫、販売管理まで⼀気通貫での連携に成功。地元に密着しながら販路拡大への大きな足掛かりに

池⽥⾷品株式会社
専務取締役
品質保証室室⻑
池⽥浩輔 様

イントロダクション

「北海道⺠に愛されるおやつを創り続けます」という企業⽂化を謳う池⽥⾷品株式会社。北海道産⾖菓⼦の美味しさをアジア、そして世界へと伝えていこうと躍進する中で、DX化は避けられない道でした。DX化の布⽯の⼀端を担ったTABECLA導⼊についてご紹介します。

導入前の課題
●在庫数の集計を毎⽇⼿作業で⾏うため、⼈的コストと集計ミスが起こりやすい。
●原材料の在庫の把握が徹底されていないため⽋品事故が発⽣する。
●⽣産管理・在庫管理・販売管理それぞれの連携が取れておらず効率化が図れていない。
●会社全体がIT化されておらず、時代への対応が求められている。

導入後の効果
●⼿作業で数えていた在庫確認作業が端数のみ確認する作業となり、⼤幅な効率化に。
●正確な原材料在庫数の把握が可能になり、⽬標としていた少量多品種⽣産が容易になった。
●⽣産、在庫、販売管理まで⼀気通貫での連携が図れ、業務全体の効率化に繋がった。
●DX化成功により、より時代に適した提案を発信できるように。

TABECRAを導入したきっかけ

OEMから少量多品種の自社製品に切り替え。舵の取り直しに必須だったDX化

池⽥⾷品株式会社は創業から70年以上の歴史を誇る北海道の⾖菓⼦製造業社です。 北海道民なら、節分の季節には必ずといっていいほど池⽥⾷品の⾖菓⼦を⾒かけるなど地元に根付いた商品を製造、販売する⽼舗企業といって過⾔ではありません。 「北海道の愛されるおやつ」として⻑らく地盤を固めてきた池⽥⾷品ですが、1990年代に⼊ると流通が整備され、本州企業との競合が問題化してきました。 競合企業との差別化を図るため、北海道らしい商品を武器に北海道産の原料を使⽤した商品の開発を進め、さらに2000年代には売り上げの半数を占めていたOEMの⽣産を終了。

2009年には百貨店に直営店をオープン(現在直営店は3店舗)、⾃社ブランド商品に注⼒し、ターゲットに合わせた少量多品種⽣産へと⼤きく舵を切り直しました。
「OEMを⽌めて少量多品種の⾃社製品を売っていく、となった時に⽣産量のコントロールや実際の在庫量のコントロールの正確さが求められるようになりました」(池⽥⾷品株式会社 専務取締役 品質保証室室⻑ 池⽥浩輔⽒)
それまで前年度ベースの数字で仕⼊れ、製造を⾏っていましたが現在池⽥⾷品で取り扱っている商品はかりんとう・たまごボーロなどを⼊れると常時150〜200種。季節商品の⼊れ替えを考えると扱う資材の量はOEM以前とは⽐べ物にならないといいます。
「社内の仕組みが追いついていなかったため、原材料不⾜による⽋品事故が発⽣するようになってしまいました。また、会社全体の課題として在庫が数字で⾒えていない、ということがありました。 毎⽇棚卸しをして⼈⼒で在庫を数えていたのですが、やはり数え間違いなどが出てくる。 本来なら作った量と実際に出て⾏く量を差し引きすれば、中間の在庫が数字で⾒えるわけです。しかし、⽣産、在庫、販売とシステムがバラバラで正確な在庫の把握ができなかった。根本的なテコ⼊れが必要と考え、基幹システムの導⼊を検討するに⾄りました」(池⽥⽒)

TABECLAの選定理由

サーバー管理から保守まで、クラウドサービスならではの使い勝手の良さ。イニシャルコスト削減も評価に。

様々な課題を抱えながら、基幹システムの導⼊を検討し始めた池⽥⾷品。選定時には多くの基幹システムの⽐較検討から始めました。「ITコンサルタントに⼊ってもらいながら、結果的に4社ほどの製品と⽐較してTABECLA導⼊を決定しました」(池⽥⽒)
決め⼿のひとつはクラウドサービスという点だったといいます。
「中⼩企業でシステムを管理する部⾨を作るのはなかなか難しい。その点、クラウドサービスならサーバーの管理も保守もTABECLAに任せることができますし、⼈の⼊れ替わりがあってもパソコンを⼊れ替える、というような⼿間がありません。サーバー型だと端末を増やすたびにライセンス料⾦がかかる事が多いがクラウドサービスは簡単に増やすことができます」(池⽥⽒)

また、イニシャルコストが⼤幅に削減されるのもクラウドサービスの利点といえます。導⼊サービスを販売管理のみから始め、徐々に機能を追加していくなど、スモールスタートが可能。また、成功報酬型の契約形態であるレベニューシェアで契約すればさらにイニシャルコストをカットすることができます。
「それでも、1番の決め⼿は実際にSCSK北海道のSEの⽅とお話しして、ここなら我々の望むものを⼀緒に作ってくれる、と感じたからです。相談すると、いつも打てば響くような返答がいただけました。SCSK北海道は⾷品業界にも知識が明るく、我々が⽴ち⽌まってしまうところでも対応してくれるという安⼼感もありました」(池⽥⽒)
⼀つだけあった懸念点はクラウドサービスならではのタイムラグだったといいます。
「常にサーバーと応答を繰り返しているのですが、クラウドサービスは、当時は圧倒的に応答が遅かった。でも、その点は技術がすぐに進化すると予想していたので、そこまで⼼配していませんでした。もちろん現在ではスピードの⾯でも問題なく使っています」(池⽥⽒)

TABECRAを導⼊後の効果

誰もが数字で情報共有できるように。「数字の見える化」が起こした意識改革

導⼊から開始までは約4カ⽉。TABECLAにはまだ搭載されていない機能もあったため、池⽥⾷品側は池⽥⽒が中⼼となりSCSK北海道と共同で開発が進められ、2019年10⽉1⽇に導⼊開始となりました。
「導⼊後の効果としてまず挙げられるのは、在庫の把握にかかる時間が⼤幅に削減された点です。毎⽇⼈⼒で30分かけて数えていたところ、現在では5分にまで短縮されました」(池⽥⽒)
また、これまで販売数などを数字で出そうとすると集計作業などが必要でしたが、⼀括ダウンロードするだけで販売数が確認できるように。それによって販売戦略を早期に⽴てられるようになったといいます。

「オプションのBI機能に関しては広告や売り上げ、仕入れ情報など の集計に役立てています。今までのようにEXCELで管理していると入力ミスが発生し、また集計までの時間が必要でした。BI機能を導入することで誰もが数字で情報共有することができるようになり、各担当者が自分に必要な集計データを掘り下げて見られるようにな りました」(池田氏)
数字の見える化は社員の意識改革に繋がった、と池田氏はいいます。
「少量多品種展開でより重要なのがターゲットを絞った販売戦略で す。お客様の動向を数字でつかみ、私たちが提供したい価値ある『北海道のおやつ』を提供する、という流れが自然と産まれるようになりました。OEM全盛の時代では考えられませんでしたが、地域に貢献したいという私たちの取り組みがお客様を笑顔にし、その反 応を元に私たちも作りたいものを作る、という非常にいい循環が生 まれていると思います」(池田氏)

今後の展望について

広がる「豆」の可能性。リアルタイムの原価を把握し、海外へも販路拡大へ

好循環の中で順調に売り上げを伸ばしている池⽥⾷品。今後は製造部⾨へと範囲を広げることが決まっています。
「昨今、原材料の価格が短いスパンで乱⾼下する時代です。リアルタイムの原価を把握し⽣産コストを下げていくためにTABECLAを活⽤していけたらいいなと。また、海外輸出へ向け、トレーサビリティについてもアクションが求められています。製品の原材料がいつ作られたものなのか、どこを経由してきたのかトレースフォワード、トレースバックできるデータをTABECLAで管理できるように検討を重ねています」(池⽥⽒)
アジア全域への販路拡⼤に向けて積極的に取り組んでいるという池⽥⽒の顔は明るさを隠しません。
⼩⻨、⽶、とうもろこしに続く⾷料としての⾖類の可能性は世界に向かってひらかれており、その期待値は無限⼤。池⽥⾷品はここ北海道から、地域密着型を忘れず世界へ向けて「⾖なしあわせ」を発信し続けます。